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「ACHE 2024 CONGRESS on Healthcare Leadership」学会受講報告書

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

2024年度の本学会テーマは「big ideas. Makes no small plans」

株式会社日本経営 / 近藤 瑛佑

アメリカの経営管理学会 ACHEへの参加

3月24日(日)から3月29日(金)の間、学会参加のためにアメリカ・シカゴに出張へ行きました。本レポートではその学会にて気づいたことと、及び、その学会で面識を持ち、その後、7月のサマーインターンシップで当社に留学をされた留学生との交流等から学んだことについて報告します。

学会出張の目的は大きく2点です。

  • 1点目は毎年留学生の受け入れを行っているアイオワ大学のMHA(医療経営・管理学)の教授との面談及び留学生候補の学生との面接です。
  • 2点目はアメリカの経営管理学会のACHE(American College of Healthcare Executives)への参加そのものです。参加者は税理士法人日本経営の前代表である丹羽、コンサルティング事業を中心としている株式会社日本経営の取締役の小畑、同社コンサルタントの近藤の3名で行ってまいりました。

アメリカの医療経営人材の立ち位置

1点目のアイオワ大学MHA(教授、学生)との面談においては、アメリカの医療経営人材の立ち位置を垣間見る機会となりました。当該MHAを卒業した方々は、その多くが病院の経営者や役員、経営企画室やマネジメント関連部門の幹部など、医療関連企業の主要ポストに就いていかれる方々です。

そのような人材を次々に輩出される、米国有数のMHAでは、「どのようなカリキュラムを構築しているのか」、また、「そのカリキュラムは、どのように変化していっているのか」が興味深く、また、それらに定期的に触れることは、病院経営の今後やトレンドをキャッチする上でとても有益だと思いました。日本と米国の違いはあるものの、医療経営に対して専門性の高い教授の方々や向上心の高い学生と、将来の医療、病院経営について対話をさせて頂くことはとても刺激的で普段の問題意識も揺さぶられるようでした。

当社へのサマーインターンシップ参加者は、基本的に当該MHAの成績優秀者が選定されることが多いようです。今回、インターンシップの候補としてお会いした学生は、経歴として臨床研究の経験もあり、MBAの同時取得も進めておられる方でした。第一印象は寡黙でおとなしい印象を持ちましたが、将来の夢として病院経営者を目指しておられるとか、日本で学びたいこととか、とてもエネルギッシュな向上心の高い学生でした。

日本では「医療経営を学ぶ」ということを「学生の時に考える」こともまだまだ少ないような印象がありますが、アメリカでは大変優秀な学生さんが将来のキャリアとして目指す「憧れの職種の一つ」なのだということも違いとして実感した一つです。

「医療経営の本質」ということについては世界共通の論点

2点目の学会については詳細な内容は「レポート」に掲載していますが、海外のマネジメントに触れることで日本でも通用する普遍的なものに気づくことができました。保険制度や文化など、前提となるインフラは当然異なりますが、「医療の質」「経済性」「社会的責任」など、マネジメントにおいて実践すべきことは共通しているとも感じます。

例えば、日本でも多様化する価値観の中における「組織マネジメント」や「人材マネジメント」は主要な課題の一つですが、元々、人種も思想も多様な米国において、質と効率を同時実現する仕組みや考え方は、日本のそれにおいても十分に参考になると思いました。

一方、米国では、日本の地域包括ケアの考え方を吸収されている側面があることも驚きでした。ある大学病院の学長の発表で、保険者の水平、垂直統合、急性期から在宅までの切れ目のないサービスなど、大学主導で進めている活動事例の発表内容は、日本の地域包括ケアの課題と共通する視点がたくさんあるように思いました。

国や制度や文化が同じとか違うなどで終わるのではなく、「医療経営の本質」ということについては世界共通の論点があるようにこうした各発表を聞きながら実感しました。 参加できるセッションも限られており、また、時間も制限がある中で、十分に掘り下げたり、吸収できなかった発表があったことは残念でしたが、発表演題そのものが興味深く駆り立てられるようでした。

普段、仕事に忙殺される日々も多いのですが、今後においても、興味関心は広く持つように意識し、敢えて大きく、異なる世界観、価値観から自分自身や自社、顧客を考える機会を今後も持ちたいと思いました。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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